5.ノクターン横丁ど真ん中にて

3年生編第5話 「どうぞ」
 と、にこやかに招くマリオンに続き、は開かれた門の内側へおそるおそる踏み込んだ。
 門がいきなり閉まったりしないかと不安になったが、そんなことはなかった。
 が敷地内に足を踏み入れたのを確認すると、マリオンは軽い足取りで石畳を歩いていく。彼が前を向く瞬間、笑みが深くなったような気がしたが、はそれについてはあまり深く考えなかった。
 庭の様子を見るほうが重要だったからだ。
 ノクターン横丁はどういうわけか、昼間でも全体的に暗いので綺麗なものも怪しげに見えてしまう。
 この庭もよく手入れされているが、例に漏れずだった。
 青空の下で見たらさぞかし美しい庭だろうに、と思うとはひどくもったいない気持ちになるのだった。
 それにしても気になるのは、見たことのない木が多いことだ。花壇の草花は知っているものもあったが、やはりどちらかと言えば知らないもののほうが多そうだ。
「庭が気になるかい?」
 声をかけられてハッとする。苦笑したマリオンがだいぶ先で待っていた。は慌てて小走りに駆け寄る。
「知らない植物がたくさんあって、つい」
「後で気が済むまで見ていっていいよ。でも今は中に入ろう。あなたに話しておきたいことがあるから」
 気になる言葉を言って、マリオンは再び歩き出した。
 屋敷の正面扉が見えてきた。
 宮殿のような屋敷。掃除が大変そうだ、とは嫌に現実的な感想を持った。
 もっともすぐに、屋敷しもべ妖精がいるなら、彼らは喜んで仕事をするんだろうなと思い直したのだが。
 としては豪華な屋敷の外観を裏切らない、目も眩むような内装を想像していたのだが、意外と落ち着いたものだった。落ち着いていると言っても、階段の手すりひとつ、柱1本とってもが一生かかっても買えないようなものなのだが。
 色が、落ち着いているのだ。
 ジェームズの家も上流家庭を思わせる造りだったが、それ以上にあそこが輝いて見えたのは色調が明るかったからだ。
 反対にこの屋敷は控え目な色のものでそろえられている。
 それでもの口を開けっ放しにするには充分だった。
「こっちだよ」
 半ば放心していたは、マリオンの声に導かれるままにドアをくぐった。
 応接室だろうか。
 からすれば「どなた様のお部屋でございますか」などと雰囲気に飲まれて言葉遣いまでおかしくなってしまいそうなほど上等な部屋だった。
 足首まで埋まりそうなフカフカの絨毯。
 こんな無粋なブーツで踏んでいいのか、とはためらう。
 チリひとつない暖炉は、実際使われているのか謎だ。少なくとも、煙突飛行ネットワークには組み込まれていないだろう。
 ソファは校長室のものより体が沈みそうだ。
 平気で地面に座ったりもするこのジーンズで腰を下ろせるか、いや下ろせない。と、反語も使ってしまう
 傷ひとつないガラステーブルは、触れたら指紋が付きそうでとてもじゃないが触れない。
 つまり、この部屋に入るのは非常に難しいのだ。
 そんなの戸惑いを知ってか知らずか、マリオンはなかなか入ってこない彼女を不思議そうに見つめた。
「どうした? 遠慮せずこちらへ来ておかけなさい」
「お、お邪魔します……」
 いつもの図太さはどこへやら、借りてきた猫のようになってしまったは、おずおずと室内に入りソファの前に立った。
 急に緊張しはじめたに、マリオンはますます疑問をつのらせるばかり。
 座ってみると、予想以上に体が沈むソファだった。
 マリオンが杖を振って紅茶とクッキーを出す。
「疲れただろう、少し休んでから話をしよう」
 紅茶を飲んだところでリラックスできるとは思えなかったが、話の内容が気になるのではカップに口をつけた。ふわり、と良い香りが鼻をくすぐる。
 マリオンも黙って紅茶を味わっている。
 とても上品で絵になる姿だとは思った。
 じっと見ていたせいか、マリオンが視線に気付き目を上げた。
 と視線が合ったとたん、親しみを込めた微笑が返される。
 その顔が、一瞬だけ見せたブラック夫人の表情と重なった。
 何故そんな目で見るのか。
 が疑問に思っていると、マリオンがカップを置いて立ち上がった。
 そして部屋の隅にあるキャビネットの引き出しから写真立てを取り出して戻ってくる。
「見てごらん」
 差し出されたそれを受け取って言われた通り見てみると、そこには2人の男の子がに手を振っていた。ホグワーツの制服を着ている。ネクタイカラーはスリザリンだ。
 けれど、にとってはそれだけで。
 不審な思いのままマリオンをうかがえば、彼はニコニコしながらを見ていた。
 気づくことはないか?
 そう問われているような気がして、は再び写真に目を落とす。
「あ……この左側の人はマリオンさんですね」
「よくわかったね」
「面影があります。……でも、右側の人は知りません」
 マリオンがわざわざ自分の写真を見せるためにを招待したとは思えないから、本題はこの右側の青年なのだろう。
 茶色い髪と目。目は挑戦的で皮肉っぽい、印象的な目だ。マリオンが優しそうな笑顔なのに対し、この青年はどこか裏がありそうな笑顔といっていい。
 リーマスとシリウスが並んだらこんな感じかもしれない、とは思った。
「そんなに難しい謎だったかな。あなたのすぐ身近にある顔のはずなんだけど」
「え? 身近に? う〜ん、こんな人いたかなぁ。もしかして、シリウス……あ、いや、現ブラック家の当主とか?」
 首をひねりながら出したの答えに、マリオンは盛大に笑い声を上げた。
「ブラック家のご当主ときたか! あの人が聞いたらさぞ腹を立てるだろうね」
 ハズレのようだ。しかもブラック家当主にとっては屈辱的なことらしい。
 ウンウン唸るに、笑いを引っ込めたマリオンが身を乗り出してきて、とっておきの秘密を教えるように声を抑えて言った。
「あなたのお父さんだよ」
「えぇ!?」
 目を真ん丸にして食い入るように写真を凝視する
 マリオンは思った通りの反応に満足そうに目を細くしている。
「あなたのバイト先の店主から話を聞いた時、苗字を聞いてもしやと思った。そして会ってみればかつての同期にそっくりじゃないか」
「同期……父さんと同い年なんですか。店長とも?」
「あの人は先輩だよ」
「そうですか……」
 は若かりし頃のマリオンと父を交互に見る。とても仲が良さそうだ。きっとジェームズとシリウスのような関係だったのだろう。
「あの、母さん……母のことはご存知ですか?」
 顔を上げては問いかけたが、とたんにマリオンの表情が申し訳なさそうに沈んだ。
「あなたのお母さんのことはよく知らないんだ。ホグワーツ生ではなかったようだね。卒業してからは、あなたのお父さんとはほとんど会うこともなかったし。──今思うと、何が何でも連絡をつけておくべきだったと後悔しているよ」
 まるでに謝罪しているような言い方だった。
 自分のせいでの父が亡くなったと言っているような。
 けれどは、両親は事故で亡くなったと孤児院で教えられた。それはこの人の責任なのか?
「事故だったそうですから……」
「事故……事故なものか。本当はこんなこと言うべきじゃないのかもしれない。でも、彼の子であるあなたには知っていてほしい。あなたの両親は魔法省に殺されたんだよ。危険思想の持ち主として追われてね」
 一回、の心臓が大きく跳ねた。それから、運動をした後のようにドクドクと脈打つ。なのに、血の気が引いていくような奇妙な感覚が全身を襲った。
 急速に口の中が渇いていく。
 ようやく出た言葉は、こんなものだった。
「純血主義、だったんですか? ヴォルデモートのような」
 しかしマリオンは否定した。
「いいや。彼は純血主義者ではなかった。その反対だった。今、魔法界で差別の対象となっている人々の地位を上げようとしていたんだ。どんな活動をしていたのかは知らないけど、それが魔法省にとっては危険だと見なされ追われることになってしまった。彼が亡くなったと聞いた時、私はあなたを引き取ろうとしたんだ。でも、どういうわけかあなたは行方不明になっていた」
「私……マグルの孤児院にいたんです。3歳くらいの時、孤児院の前で倒れていたって。私、ほとんど覚えてなくて……」
「そうか……」
 マリオンは目を伏せ、苦しそうに眉間にしわを寄せた。
 しばらく重い沈黙が続いた。
 いたたまれなさのあまり、はクッキーに手を伸ばす。
 アーモンドの乗ったクッキーはバターの香りもこうばしく、口の中でやわらかく溶けるような仕上がりだった。
「今は、どこに?」
 クッキーのおいしさに一瞬空気の重さを忘れていたに、今度はとても答えにくい質問がなされた。
 さて、どう答えたものか。
 正直に言えば、マリオンはがどういう人間なのか気づくだろう。彼はの父とホグワーツ卒業後はほとんど会っておらず、母のことはよく知らないと言っていた。
 実際、どこまで知っているのかわからない。
 かといって適当に濁した答えでは納得しないだろう。それに、父と仲の良かった人に対してそういう態度はあまりにも不誠実ではないかと思った。父は父、自分は自分と言ってしまえばそれまでだが。
 返答のないを、マリオンは心配そうに見つめている。
 その瞳が本当にへの心配でいっぱいだったので、観念して正直に話すことにした。
「……ムーン・バスケット2号棟です」
 聞いた時、マリオンはそこがどこなのかわからなかったようだ。だが、数秒後には軽く目を見開き、うめき声のようなものをもらした。
 彼は何を考えているのだろうか、と思ったが、はその顔を見ることができなかった。
 やがて、絞り出すような声でマリオンはに尋ねた。
「お母さんは狼人間だったのかい?」
「……ヴァンパイアのハーフだそうです」
「そうか……あいつはまた大変な人と結婚したものだな」
 独り言だったのだろう。
 だからは心の中で相槌を打った。
 ──私もそう思います。
 また、沈黙が降りた。
 は何を言ったらいいのかわからない。
 やはり沈黙を破ったのはマリオンだった。
「そこでの暮らしはどうだね?」
「楽しいですよ。みんな、いい人達なんです」
 今度は迷わず答える
 みんな基本的には個人行動でお互い干渉しあわないのだが、はそれに寂しさや冷たさを覚えたことはない。
 今は、少し違うけれど。
 マリオンはの答えに、そうか、と小さく頷く。だが、その表情は難しそうだ。わずかに眉間が寄っている。
「今、魔法界が少しずつ危険になっていることは知っているだろう?」
 は黙って頷いた。
「あなたが闇の陣営に行かないことは見ればわかる。だから、もしも今の場所にいずらくなったり、行く場所がなくなったりしたらここへおいで。魔法省には頼りたくないだろう? ここは、いつでも中立だから」
 言われた言葉を心の中で反芻し、はマリオンの気遣いに軽く目を見開いた。
 最初にが一人になった時は引き取ろうと思ったマリオン。けれど、今はこのままでいいと言う。そして行き詰まったら頼れと言う。中立だというのは本当だろう。クライブも言っていた。
 なんと太っ腹なことか。
 彼を見るかぎり見返りも何も要求してこないだろう。
 もちろん、途中でを裏切ることもない。
 どうして自分にそんなに良くしてくれるのか。学生時代の友人の子というだけで。
 それとも、世の中そういうものなのか?
 にはわからない。
 けれど、どうしようもなく嬉しかった。
 きっと今、顔が赤いだろうと思いはうつむいた。
「……ありがとうございます」
「ははは、私はまだ何もしていないよ。息子を紹介しておこう。もしかしたら、ホグワーツで会っているかもしれないけど」
「え……あれ?」
 クライブは自分のことを話してはいなかったのか、とは首を傾げた。
 ここに来る前にマリオンがクライブは息子だと言った時、との関係も知った上で言ったのだと思ったが、どうやら違ったらしい。この家の名が世間に広く知られている、という意味だったようだ。
 それに気づきは実はホッとしていた。
 正直なところ、クライブとの出会いとその後のことは親に知ってほしくはないからだ。もしかしたら彼もそんな気持ちがあって話していなかったのかもしれない。
 どんな出会いだったのかと聞かれて、蹴飛ばしました、とは言えない。
 しかも二度目はケンカだ。
 が悶々としながら口をつぐんだままでいるうちに、マリオンに呼ばれてクライブがやって来た。
 ソファに座るに、クライブはきょとんと目を丸くした。
「何でお前がここにいるの!?」
 素っ頓狂な声を出し、クライブはを指さす。
 は乾いた笑いを返した。
「お邪魔してます……予定合わせる前に会っちゃったねぇ」
 その言葉にマリオンはすでに2人が知り合いであると察した。
「そうか……もしかして同じ寮で?」
「いいえ、私はグリフィンドールですから」
「そそ、偽グリフィンドール生満喫中だよな」
「偽って何?」
 混ぜっ返すクライブをは軽く睨んだが、クライブのニヤニヤ笑いは揺らがない。
 逆にマリオンは頭上に疑問符を飛ばしている。
「グリフィンドール……?」
 まじまじと見られ、は圧されたようにソファの背もたれにぴったり背をくっつけた。
 きっとよく知る友人の子が真逆の寮に入ったのが不思議なのだろう。
 不思議がる父親をより一層おもしろがるように見たクライブは、さらにおもしろくしてやろうと口を開く。
「組み分け帽子を拝み倒したらしい」
「余計なことは言わなくていいっ」
「本当のことだろ? そう言ったじゃないか、偽グリフィンドールさん」
「ふん、私が何をしたにせよ、分けたのはあの帽子だよ」
「うわ、開き直りやがった」
 ふんぞり返ったにクライブが顔をしかめた時、突然マリオンがクスクスと笑い出した。
「そのふてぶてしい態度、懐かしい……」
 マリオンはしばらく笑い続けた。
「何が懐かしいんだ?」
「マリオンさんと私の父さんは同期だったんだって。寮も同じで……ほら、これ」
 はクライブに写真を見せた。
 クライブは「あっ」と声を上げた。
「この人、お前の父さんだったんだ。親友だとは聞いてたけど。ああ、なるほど。言われて見ればよく似てるな」
「私、そんな小憎たらしい顔してる?」
「してるしてる。誰が見ても親子だよ」
 親子だと断言してくれるのはありがたいが、それが小憎たらしい表情を指しているのだと思うと、素直に喜べないだった。
 2人で写真を覗き込んでいると、笑いのおさまったマリオンがを夕食に招待した。
「何なら泊まっていってもいい」
「あ……えっと、管理人に届けてないので今日は帰ります。すみません」
「そうかい。まぁ、いつでも遊びにおいで。でも、夕食はごちそうさせてくれるだろう?」
「はい、ありがとうございます」
 の返事にマリオンは満足そうに頷くと、席を立って部屋から出て行った。
 屋敷しもべ妖精に一人分増えたことを伝えに行ったんだろう、とクライブが説明した。
 今度はマリオンが座っていたソファにクライブが腰掛けた。
 ガラステーブルの上に写真を立て掛けながら、クライブはしみじみと言う。
「何だか奇妙な縁だな」
 その通りだとも思った。
「なあ、また来るだろ? お前が好きそうな本があるんだ」
「へぇ、どんなの?」
「古代の魔法薬とか歴史に埋もれた魔法薬とか、簡単な呪文の応用で意外な効果を出す方法とか」
「おもしろそうだね!」
 目を輝かせるに、そうだろ、とクライブが笑む。
「庭も学校じゃ見れないような植物があるぞ」
「見たよ。時間があったらもっと近くでじっくり見たかったなぁ」
「明日にでも来れば? 図鑑を用意しといてやるよ」
「う〜ん、明日はバイトなんだよね。明後日でもいいかな。その日は休みだから」
「かまわないよ」
 それからとクライブは学校の宿題や選択授業について話した。
 占い学以外全部選んだというに、クライブはおおいに驚いた。
 ちなみに彼は数占いと古代ルーン文字学を選んだらしい。

 夕食の席ではマリオンに父のことを尋ねた。いったいどんな人だったのか。
 フォークとナイフの動きをいったん止め、マリオンは思案する。それから、何を思い出したのか、小さく笑うと話し出した。
「自分の興味のあることしかやらないような人だったな。5年生くらいまではマグルのことに夢中になっていたから、成績は進級できればそれでいいくらいのものだったよ。本当はやればトップクラスにだってなれたろうにね。ああ、でも……」
 今度こそマリオンはクスクスと笑い出す。
「どうしても苦手なものがあった。飛行術だよ。あれはもう、箒に嫌われているとしか言いようがないね」
 父の過去に何があったのだろうか。箒が乗られることを拒否したのか?
 それにしても不思議なものだ。
 クライブも同じことを思っていたらしく、首を傾げて言った。
はクィディッチの選手なのに……」
 おや、と笑いを引っ込めてを見るマリオン。
「チェイサーだよな」
 クライブに言われ、頷く
「それはすごいね。楽しいかい?」
「はい、とっても」
「おかげでスリザリンは優勝できそうにないよ」
「それ以前に姑息な手段をやめればいいのに」
 ぼやくクライブには容赦なく言ってやった。
 もっとも彼はチームに所属していないので、言っても仕方がないのだが。
「いやいや、似なくて良かったね。箒でロデオをやったのは後にも先にものお父さんだけだと思うよ」
 マリオンの話にとクライブは同時に「うわぁ……」とうめいたのだった。
 にはもう一つ聞きたいことがあった。
「あの、父さんの家は今どうなってるんですか?」
 例えば、父の父母。その他の血縁者。
 しかし、その話を持ち出したとたんマリオンの表情は沈んでしまった。
 聞いてはいけなかったかとは内心焦る。
「言いにくいことなんだけどね。彼の家はもう絶えてしまったんだ。のお父さんは結婚が原因で勘当されたんだ。彼は唯一の跡取りだったからね、その後は次の当主の座を巡って一族で争い……」
「……そうですか。あ、別に気にしてませんから。見たこともない家なんで」
 それは本当のことだった。
 なのに、は何故かショックを受けていた。
 もとより母のことは手がかりも何もない。父のことだって奇跡的に知ることができたと思っている。
 今までだって両親のことはほとんど考えることなく過ごしてきた。
 それなのに、事実を聞いたとたん世界にたった一人で取り残されてしまったような気持ちになってしまった。
 気にしていないと口では言っても、の気落ちした様子を感じたマリオンは、サッと話題を変えた。
「ところで、遊びに来るなら毎日でも大歓迎だから遠慮はいらないよ。私も毎日同じ顔を見るのは飽きてきたからね」
 息子を見てニヤッと笑う父親。
 クライブはパンを喉に詰まらせた。
 目を白黒させながら水で流し込んだクライブは、猛然と父に抗議する。
「父さんだって毎日同じ顔だろうが!」
 その言い方がおかしくて、は吹き出してしまった。
 ジェームズの家とはまた違った楽しさを持つ家だった。
■■

目次へ 次へ 前へ